丁寧とは……

日本の伝統文化に触れるとそこには必ず「丁寧」という言葉が出てきます。

丁寧とは

細かい部分に注意や気配りが行き届いているさま

動作・態度などがぞんざいでなく礼儀正しいさま

雑ではなく念入りなさま

茶道や華道を嗜んだ方はそこから想像ができるでしょう。

剣道など弓道のように武道を嗜んだ人もどういう事かわかると思います。

日本文化の素晴らしさはその道を極めるためには「丁寧」から外れないのです。だからこそ素晴らしいものであり、身体の使い方も理にかなっているのです。

では日本文化の「道」ではない所の「丁寧」とは何でしょう。

楽器を弾く人は?

声楽をされている人は?

ダンスをされている人は?

スポーツをしている人は?

今あなたがやりたい事での「丁寧」な動作は何ですか?

私のアレクサンダーテクニークのレッスンでは身体の動作全てにおいてその「丁寧」というものに気付いてもらうものだと考えています。

生徒さん達に「貴方の丁寧とは何ですか」と聞くと

一つ目に「ゆっくりの動作」が丁寧な事とおっしゃいます。

もちろん「丁寧」に気付くためにゆっくりやりながら学ぶ事もあるでしょう。

しかしゆっくりは丁寧ではないですね。

日本の「道」に携わっている方達の動きはゆったりとは見えてもゆっくりではないです。逆に早い動作も沢山見られます。

次に耳にするのは「感情を込める」と言う方がいます。

感情を込めたら丁寧なのか……

丁寧な要因の一つにあるかもしれません。でも、感情を込めたからといって丁寧であるとは言えません。

ただ感情がこもっているだけです。

「丁寧」

と言う言葉は心の面もありますが、物理的にそれをやるにあたって細かく知り尽くし、その全てに細心の注意と集中力を持って行う事です。

細かく知ると言う事は、どう言う事なのかしっかり理解する事です。

足の指先から頭のてっぺんまで、何がどうなるのかを理解し、それから外れないように気を付けながら体現する事です。

これが中々出来ないのです。

だから、色々似て非なるものが出来上がってしまいます。

アレクサンダーテクニークが100年以上経っても重宝されているのは、身体の使い方に関して「丁寧」なものとはに気付かせてくれるからなのです。

ピアノは鍵盤に指を置いてからが準備ではありません。そこから始めるとなると丁寧な音が出せる人はごく僅かな人でしょう。

歌の人が歌い始めたところから、もしくはブレスから気をつけたとしても、やはり丁寧な音楽を奏でられる人は僅かでしょう。

すべての楽器、スポーツ

自分が何気無く考えているスタート地点の殆どは、そこからの準備では全く足りません。

これに気が付かせてくれるのがアレクサンダーテクニークです。

身体の準備を知っているからパフォーマンスが上達して、準備を知っているから変な余分な緊張感がなくなるのです。

これがアレクサンダーテクニークなのです。

貴方のやりたいことの「丁寧」とは何でしょう?

もう一度冷静になって考えてみるのも良いかと思います。