213日に私のプライベートレッスン(声楽)受講生のzoom座談会を開催しました。

アレクサンダーテクニークというものは大変厄介なもので、自分の身体を使うのだけれど、その操作の仕方がとても特殊です。気持ちや意識も大切ですが、それに伴う体の使い方も大切なのです。

効率の良い体の使い方は簡単にはできません。それに必要な筋肉を大抵の人は持っていません。なのでそこを育てていかなくてはいけないのですが、育てるためにも意識と指令が必要になるのです。

特に、声楽というのは全て自分の体の中で自己完結していくものなので(楽器も演奏するのも自分の体だけ)、大変難しいと思います。

良い楽器は、良い音を出してくれる手助けをしてくれます。

声楽は楽器が身体なのです。その良い楽器をどう作っていくのか。これがとても大切なのです。

これはとても辛抱強くやる必要があります。

今まで沢山の生徒を見てきていますが、効率よく立っていられている人自体を見たことがありませんし、効率よく歩けている人も見たことありません。座る姿も然り……

皆、立つ、歩く事すら出来ていないとは誰も思ってもいません。

まずそこを理解しなくてはいけません。

それに気付いて効率の良い動きができる体に仕上げなくては、良い楽器にはなりません。

演奏技術とかいう前に楽器が出来ていなければ、演奏技術もそこそこまでしかできないのです。

まずそこをきちんと理解して学ぶ必要が出てくるのです。

プライベートレッスンは、自分と先生だけの二人の狭い世界なので、できないことやわからないこと、苦労することも、「自分だけがわからない」と感じてしまいます。

私が見本をしたところでも

「先生は出来る。自分はできない。才能が……

と考えてしまうのです。

才能は自分で育てるのです。見本を見せている私も出来なかったのが出来るようになったのです。元々生まれながらに与えられたもので出来る人は1%にも満たないと思います。

ですから本当に苦しい作業になります。

難しいといって辞めてしまう人もいます。

私はそれはそれで良いと思っています。

受け取る側の器もあるので。自分に合ったところを見つければ良いと考えています。

そんな中、それでも分からなくてもわかりたいと来られている方達に、「皆同じような悩みがあり、問題があり、出来ない事があって、それをその人なりに工夫しながら学んでいく」という事や経験を分かち合えたら良いと思い、そんな会をやっみました。

前日に急に決めたのにもかかわらず、9人の方が参加してくれました。そして、事前のアンケート(ATの効果や抑制についての学び方や、やっているつもりとできている事のギャップ、そして本当の声楽の発声テクニックを知った時の驚きなどについて)も皆さん協力して送ってくれました。

それを元に私は進行させてもらいました。

学び方や練習方法もそれぞれ工夫されていて、受けた方達はそれぞれ大きな刺激になったのではないかと思います。

私は、事前のアンケートの答えを読んだだけで大きな喜びでした。

この訳の分からないATをある意味的確に理解していて、自分としっかり向き合おうとしているのが見てとらえられました。私はこの文章を英訳して、NYの学校に送ろうと思いました。

ATの指導者養成学校の人でも気付かない本質をプライベートレッスン受講の段階で捉えている事がとても興味深かったです。アレクサンダー関係の本を全く読んだ事無いはずなのに、的確に理解してくれているのはとても興味深いと思います。

私の元に来て3ヶ月のかたから8年の方まで(平均5年位でしょうか)、それぞれがその段階での経験か気付きがあって、新しい人はわからないなりにも理解しようととしているし、長い方も、まだこれからの可能性や自分の次の課題などもしっかりと見つけていたり……

私にとって大変有り難い時間でした。

最近 オイゲン ヘリゲルの「禅と弓道」を原語で読み始めているのですが、やはりATとこれらのものとはとても似ていると感じています。私の先生も、そこは大いに同意してくれています。

原語で読み終わったら日本語でも読んでみようと思っております。

なんにせよ、この座談会は私にも受講生の方達にも大きな収穫があったと思います。

また、しばらく経ったらやってみたいと思います。