昨日は月1回の音楽家の為の集中講座でした。
今回は 初アレクサンダーテクニークチェロ暦1年の方も参加されました。
まず1部講義では
「腕、手」の使い方を行いました。
主な内容は
親指軸と小指軸について
ダンベルを使って、違いを体感する。
ピアノを弾いて見て、音がどの位変化するのか感じてみる。
腕の使い方による声や呼吸への影響
声を出しながら、様々な手や腕の使い方をしてみて自分の声や呼吸の変化を知る
腕や肩のエクササイズやほぐし方
おまけで バックパックを楽に背負う方法
バックパックを背負う事で首や肩が凝る人が多いのですが、その原因と楽になる背負い方。チェロの人はチェロを背負う方法
を行いました。
親指軸、小指軸と言ってもピンとは来ないのですが、実際に日常的な動作に入ってみるといかに親指軸で過ごしているのか、それを小指軸に変える持ち方をダンベルや様々な道具を使ってやってみました。
そして、ピアノに関しては100%音色が変化するのを実際自分で弾いて知ってもらいました。
そして、PCのタイピングに関しても同じ事が起こり得る事など説明しました。
物を持つ、掴む、持ち上げる、当たり前の日常動作ですが、正しい体の使い方を知るのはとても大切で、実際に体感してみなければ違いはわかりません。
そして、この些細な動作は日常の中で何千回と繰り返される動作です。
しかも、間違った使い方は呼吸にも影響を及ぼします。それらの説明と共に体感する事で、これから先、「ふっ」と自分の使い方に気付いたり、気をつけたり出来るようになると思います。
そして、腕の使い方もやはりアレクサンダーテクニークのプライマリーコントロール の状態にも影響します。
腕や手の使い方と共に「神経」についての解剖学のお話もさせてもらいました。
2部のマスタークラスでは
まずは曲を通して演奏してもらいます。
そこから、体の事に対して意識する事をアドバイスしながら進めていきました。
初アレクサンダーテクニークのチェロの方の音色の変化には、聴いている人はとても驚かれていました。
私が考える音楽家に対してアレクサンダーテクニークが役に立つのは2つです。
1つは 音色です。
自分の体を無理なく最大限に使えた音は、本当に美しい音色が出ます。その人にしか出せない共鳴音。音楽に音色はとても大切だと私は考えております。
2つめは
演奏によって生じる痛みや病気の予防です。
体の使い方を知っていれば痛みは生じません。体に合わない無理な筋肉の使い方で起こる痛みや弊害を防ぐために、そして、残念ながらその痛みや様々な症状になってしまった人のために、新しく体の機能に沿った使い方を学び、その痛みや症状を和らげていくのです。
無意識にやってしまう自分の体の癖で作られた弊害を意識下に戻すのです。
そのためにはどのように体が使われるのかを学ぶことはとても大切なことです。
演奏技術の向上と言うとあまりにも広範囲な事なので分かりづらいと思いますが、この上の2つがアレクサンダーテクニークで出来ることです。
例えば、
「この部分を速く弾けるようになりたい。」
と思ったとします。
それにはまずは練習を繰り返ししてみます。繰り返し練習を重ねたにも関わらず、やはりそれが出来ないのならば体の使い方が違っているのです。
その時はアレクサンダーテクニークの出番だと私は思っています。
今回、チェロの方の参加で、また書きたい事が出来たので、その件に関しては別に書かせてもらうことにします。
昨日、お忙しい中ご参加してくださった方ありがとうございました。
たかが小指、されど小指(笑)
を忘れずに日常生活に役立てて頂ければ嬉しいです。
来月は4月15日 (日曜日)に開催いたします。